2020.09.03相続税

相続する相手がいない?財産はどうなるのか

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相続する相手がいない場合、自分が被相続人になった際その財産はどうなるのでしょうか?

本来、相続人にあたる身内の方がいない場合、家庭裁判所が相続財産管理人を選ぶのです。

その後、選定された相続財産管理人が相続人捜索の公告を出すことになります。

ご自身の遺産を相続してもらいたい方がいる場合、事前に遺言書を作成しておくことが重要です。

相続する相手がいない場合の対策について、ご説明いたします。

 

 

法定相続人がいない人が多くなっている?

近年、過去と比べ生涯未婚率が高くなってきています。

国立社会保障・人口問題研究所による調査では、生涯未婚率は「男性で20.1%」「女性で10.6%」となっています。

※2010年時点のデータ

この数字が、25年後の2035年には「男性で29%」「女性で19.2%」とそれぞれ9%ほども高くなると言われているのです。

 

 

相続する相手がいない場合、遺産は国庫に帰属する

2010年時点でも、男性の5人に1人、女性の10人に1人。

2035年の予想では、男性の3人に1人、女性の5人に1人。

これだけの人が生涯未婚であれば、相続する相手がおらず遺産が宙に浮いてしまうというケースがどうしても多くなってきます。

この際、遺言書を残していなければ、多くの場合「相続人不存在」という状態になります。

これは、読んで字のごとく、相続人がいない状態ということです。

このままでは、誰も相続しない遺産は、やがて国庫に帰属することになります。

ただ、遺産はすぐさま国庫に帰属するというわけではありません。

法定相続人がいないとなれば、まずは家庭裁判所が「相続財産管理人」を選定します。

相続財産管理人は、通常その地域の弁護士が務めることが多いです。

この家庭裁判所によって選定された相続財産管理人が相続債権者や相続人を捜索します。

相続することができるよう、様々な手段で捜索をしてくれるのですが、それでも相続債権者や相続人が見つからないという場合も少なくありません。

そういった場合、最終的にはその遺産は国庫に帰属することになってしまうのです。

 

 

相続人が不明な場合の具体的な流れ

法定相続人がいない場合、相続財産管理人が相続人や相続債権者を捜索するというのは、既にお伝えした通りです。

その際の具体的な流れを見ていきましょう。

 

流れ1 相続財産管理人選任の公告

被相続人が最後に住んでいた地域を管轄する家庭裁判所。

この裁判所が、「相続財産管理人選任の公告」をします。

相続財産管理人を選任する旨を2ヵ月の間、官報で公告します。

そして、もし相続人が要る場合は、申し出てくれるように求めるのです。

 

流れ2 受遺者・債権者に対する債権申出の公告

「相続財産管理人選任の公告」があった後2ヵ月以内に、

この期間が過ぎてなお、相続人が見つからない場合、「受遺者・債権者に対する債権申出の公告」が行われます。

これは、受遺者(個人から財産を受け取る予定のあった人物)、個人に貸し付けをしていた債権者がいれば、申出をするように依頼する公告です。

この公告の期間も2ヵ月と定められています。

この際、期間内に受遺者や債権者から申し出があった場合、その申出のすべてが公告期間終了後にまとめて清算されます。

既に債権者がわかっているという場合には、債権申出の催告を個別に行います。

 

流れ3 相続人捜索の公告

「受遺者・債権者に対する債権申し出の公告」の2ヵ月の公告期間が終了しても、相続人が見つからない。

そういった場合、6ヵ月以上の期間を定めて、「相続人捜索の公告」を行うことになります。

この期間が終了しても相続人が現れないという場合、そういった場合には「相続人不存在」の状態が確定することになるのです。

また、例外として、相続人不存在が確定した後も遺産の分与が可能な場合があるので併せて知っておきましょう。

それは、特別縁故者が現れた場合です。

相続人不存在が確定した後でも3ヵ月以内であれば、特別縁故者に遺産を分与することができるのです。

これらの流れすべてを経て、残った財産に関しては、国庫に帰属するということになるのです。

 

 

誰かに財産を残すのであれば、遺言書を残しておきましょう。

このように、法定相続人がいない状態で被相続人の方がお亡くなりになった場合、周囲の人はその遺産をどうすればよいのかがわかりません。

財産を残したい相手がいるのであれば、遺言書を書き、きちんと遺産をどうするのかを記しておきましょう。

 

おわりに

自分の人生の最後に残った財産。

それが、そのまま国庫に帰属するということは、自分の意に沿わないという方は多いでしょう。

自分の財産を誰に残したいのか。

早い段階からそういったことを考え、遺言書を残しておくことで、最後の最後まで自分の財産を自分の判断で使うことができると言えるのではないでしょうか?