2019.05.08相続税

【税理士が解説】複数人で相続税を分担する際のポイント!

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税理士が解説する

財産を受け取った人物全てに、申告と納税の義務が発生する相続税。

原則として、相続税は財産を相続する全ての人物が、各人で納めることになっています。

今回は、複数人で相続税を納める際に知っておきたいことについて触れていきましょう。

分担の際、相続税額を求める為に幾つもの計算式を必要としますが、その計算式についても簡潔にお伝えします。

 

相続税の分担する計算の仕組み

相続税の計算

まず、相続税を分担するには、それぞれが負担する相続税額を求めなければなりません。

以下に4つの計算式を記載します。順に見ながら計算してみましょう。

 

正味相続財産

引き継いだものがそのまま財産額となる訳ではありません。

何故なら、財産には、預金や土地、株、保険金などの”プラスとなる財産”と、借金など”マイナスとなる財産”が存在するからです。プラスの財産からマイナスの財産と、葬儀費用を控除する事を”債務控除”といいます。

□正味相続財産額=プラスとなる財産-マイナスとなる財産

 

基礎控除額

相続税には、基礎控除額というものが存在し、財産総額からこの基礎控除額を差し引きます。

□基礎控除額=3000万+600万×法定相続人の数(相続放棄した者も含む)

 

正味相続財産と基礎控除額が分かった所で、ようやく相続税を計算することが可能です。

相続税計算では、特に正味財産のうちプラスの財産の金額算定がポイントとなります。財産一つ一つを金額で評価していく必要がありますが、基本的にその金額とは、相続が起こった時点での財産価値です。財産価値については、それぞれの専門機関や専門家から証明書などを取り寄せて確認しましょう。

 

 

 

課税遺産総額

上記2項目が分かれば、次は遺産総額を計算します。

□課税遺産総額=正味相続財産-基礎控除額

この計算式で出たものが相続税の課税対象となる金額の総額となります。

基礎控除額が上回っていれば、相続税はかかりません。

 

 

各相続人の相続税額

各人が負う相続税を計算しますが、まず相続人全体で納付すべき税額を計算します。そしてその全体の相続税額を各相続人が取得した財産の割合に応じて、各相続人に負担させることとなります。

ひとまず、先程の計算式で求めた課税遺産額を、定められた法定相続分で割り振りましょう。

割り振りが完了したら、次に各人の相続税額を計算します。

相続税額計算には、速算表というものを利用します。速算表とは、課税遺産総額で異なってくる相続税を計算するために必要な一覧表です。それぞれの範囲内で税率と控除額が定められています。

 

課税遺産総額が1000万円以上3000万円以下:税率15%:控除額50万

課税遺産総額が3000万円以上5000万円以下:税率20%:控除額200万

課税遺産総額が5000万円以上1億円以下   :税率30%:控除額700万

 

より詳しい速算表は、国税庁のホームページから確認することができます。

(出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」)

 

これに従うと相続税額は以下の計算式となります。

□算出税額=各相続人の課税遺産総額×税率ー控除額

 

この計算で出た算出税額の合計額が相続人全体で納付すべき税額の合計額となります。

そして、その全体の納付すべき税額を、実際に各相続人が取得した財産の割合に応じて負担させます。課税遺産相続の半分を相続した相続人は全体の半分を負担します。逆に相続人であっても相続した財産がゼロであれば、負担する相続税額もゼロとなります。

全体の相続税額に財産の取得割合を乗じた金額が各相続人の負担する税額となります。

取得割合は小数点での計算

申告書に記載する場合、自身の取得した財産の割合は小数点まで記載する必要があります。

取得割合をした場合、そのほとんどが割り切れない数字になります。端数をどのように処理するかは、相続人全員で話し合い、小数点第二位未満までで調整をすることとなっています。

ただし、税理士事務所などでは、相続人同士の公平性を図る為、より細かな端数での調整を求められることがあります。

他の人の相続税の立て替えは注意が必要

仮に、相続人の内、諸事情で相続税を支払うことができなくなった人物が現れた場合、他の相続人が代わりに支払うことが可能です。

ただし、本来当人にかせられるはずであった相続税を他人が支払うとなると、金額を贈与したと判断され、贈与税が課せられますので注意が必要です。

他の人の相続税を払わせられることも

相続税を支払う

相続税には、連帯納付義務制度がついています。

もしも、相続人の誰かが相続税を支払わずにいると、他の相続人に納税の催促書が届いてしまいます。

財産を受け取ったからには、相続税は納めねばなりません。連帯責任として納税することになれば、相続人同士のトラブルへと発展しかねないでしょう。

納税忘れはないか、自分はもちろん、他の相続人にも声をかけ、注意をしましょう。

まとめ

このように、相続税の計算は自分でも行えます。

しかし、制度に詳しくない人物が計算するには、相続税は少々難しいものと言えるでしょう。

誤りを避けるためにも、税理士など専門知識の豊富な人物に助けを求めるとより好ましいです。

 

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