2019.10.10財産評価

相続税評価方法 「地積規模の大きな宅地の評価」とは?

Pocket

地積規模の大きな宅地

相続する土地が大きければ大きい程、税額も高くなります。

そういった土地を贈与などにより取得した人のために、2018年度より“地積規模の大きな宅地の評価”制度が整えられました。

本記事では、地積規模の大きな宅地評価の概要と、利用する場合に知っておくべき知識についてお伝えします。

 

「地積規模の大きな宅地の評価」についての基礎知識

個人が広大な土地を相続した際、その土地が大きすぎるがゆえに利用価値が低下することを考慮し、評価額を抑えるための補正を加える評価方法を“地積規模の大きな宅地の評価”と呼びます。

通常宅地を相続した場合、道路に付されている路線価に宅地の面積を乗じ、土地の形状に合わせた補正をして評価額とします。

ただし宅地分譲をする上で大きすぎると判断される土地は、宅地買取業者が買い取りをする際に適切な規模で分割され、法律の定めにより道路が必要な場合は私道として宅地としての利用ができなくなります。

土地を分割するには費用もかかる上、私道とされた部分については評価がゼロとなってしまうので、通常の評価方法では実際の価値以上の評価額となってしまいます。

一方、土地を保有するにしても土地そのものの面積が広い分、納めるべき税額は高くなり相続した人の大きな負担となってしまいます。

そこで、土地評価を下げ、税負担を公平にするべく整えられたのが、この方法です。

「地積規模の大きな宅地の評価」が適用されるケース

適用ケース

2018年度より施行されたこの制度の適用を受けるには、後述の条件に当てはまる必要があります。

 

1.課税時期が2018年度以降である

2.土地面積が1,000平方メートル以上である(ただし、三大都市圏は500平方メートル以上)

3.路線価地域においては地区区分が、“普通住宅地区”か“普通商業・併用住宅地区”である

4.評価対象土地の推定容積率が400%(東京都の特例区においては300%以上)未満である

 

この他にも細かな条件が設けられていますが、国税庁HPより確認できます。

チェックシートを閲覧・取得できるようになっていますので、確認してみましょう。

 

地積規模の大きな宅地を共有している場合はどうなるか

もしも土地を共有していたのならば、各人の按分ではなく土地全体の面積を見て基準に達しているかを判断します。

例として、元々1,200平方メートルあった土地を、4人それぞれ4分の1の持ち分(300平方メートルずつ)で分割し共有していたとします。

各個人の土地(300平方メートル)では基準を満たしませんが、元の土地の規模で見れば1,200平方メートルあるため、地積規模の大きな宅地の条件を満たしたことになります。

土地評価についても同じく、各人の持ち分で評価するのではなく、まずは全体での土地評価を行い、それを按分で計算します。

 

 

「地積規模の大きな宅地の評価」の評価方法は路線価地域と倍率地域で異なる

地積規模の大きな宅地の評価方法

広大な宅地の土地評価方法は2種類存在します。

 

1.路線価地域

路線価に対して、特定の補正をかける評価方法です。

特定の補正とは、対象となる土地の間口や奥行きの距離の程度や、土地として不整形な地形か否かなどによる“画地補正”と“規模格差補正”を指します。

計算式は以下の通りです。

 

  • 路線価×奥行価格補正率等の画地補正率×規模格差補正率×地積(㎡)=評価額

 

2.倍率地域

後述する2種類の計算式の内、低く算出されたものに規模格差補正率を乗じて計算した価格によってその土地の評価とする評価方法です。

 

1.固定資産税評価額×倍率

2.対象が標準的な間口距離及び奥行距離による宅地であるとした場合

 1平方メートル当たりの価額×各種補正×対象宅地の地積

 

おわりに

2018年度より、広大な宅地の評価について①各地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法への見直し、②適用要件の明確化のため、 “地積規模の大きな宅地の評価”制度が整えられました。

これまでの“広大地の評価”で曖昧とされていた部分が見直され、税負担がより公平となるように、適用されるケースや評価の計算式、共有地の場合の評価方法についてさらに明確に定められています。

国税庁から各人で確認できるように情報やチェックシートが提供されていますが、土地評価は知識のある方でないと計算が難しいことがほとんどです。

個人で算出するのが難しい場合は、専門家の手を借りましょう。