2019.11.07財産評価

【財産評価】株式の相続税評価 上場株式・非上場株式ごとに解説

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仮に、被相続人が株式を有していた場合、当然のことながら相続財産の中に含まれます。

株式は上場株式と非上場株式の2種類に分けられますが、どちらも明確に価格が定められている訳でなくその時々の状況で変動します。

本記事では、どの状況を評価の基準とすべきか悩むであろう、相続における上場株式と非上場株式の評価方法についてお伝えします。

上場株式の評価方法とは

上場株式の場合は、日々変動する株式市場価格から判断する必要があります。

原則的に市場での終値を参考にしますが、加えて以下に記す4つの時点において最も低い値を評価とします。

 

①被相続人が亡くなった日

②被相続人が亡くなった月における全営業日の平均

③被相続人が亡くなった前月における全営業日の平均

④被相続人が亡くなった前々月における全営業日の平均

 

平均額および終値は、被相続人が取引をしていた証券会社に直接訪ねるか、残高証明書などの書類を確認する、または株価の情報を提供しているHPを利用するなどして調査が可能です。

もしも、被相続人が亡くなった日が土日や祝日であった場合、直近日の終値を参照します。株式が権利落ちしていた場合、正確な評価のために権利落ちする前日の終値を参照します。

非上場株式の評価方法とは

非上場株式の場合、評価の参考となる市場価格が存在しないため、被相続人が亡くなった時点での会社の状況を見て評価します。

評価方法には、主に以下の4つが存在します。

 

純資産価額方式

その会社の持つ全ての資産を財産評価基本通達に従って相続税評価額に評価替えし、そこから負債などを差し引いた残金によって評価する方法です。

主に小規模な会社で経営権を引き継ぐ場合に参考にされます。

 

類似業種比準方式

その会社と事業内容が類似している上場企業の株式を基に算定されている類似業種比準価額を基準として評価する方法です。

主に大会社で経営権を引き継ぐ場合に参考にされます。

 

併用方式

上項二つの方式で評価額を算出した上で、一定の割合で折衷する方法です。

主に中程度の会社で経営権を引き継ぐ場合に参考にされます。

 

配当還元方式

配当額をもとにした計算式を用いる、経営権を引き継がない場合や少数の株式しか保有しない株主の場合に参考にされる方法です。

他の方法よりも評価額が低くなる傾向にあるのが特徴です。

 

株価評価は複雑なため、専門家に依頼して調査してもらいましょう。

それぞれの株式の相続税を抑える方法

株価評価額が高くなると、それだけ相続税も高くなります。

事業を引き継がせる場合、なるべく節税を考えなければ、株式の相続によって次の事業主に大きな負担をかけることになってしまいます。

事業継承を視野に入れた相続税の節税対策には、いくつかの方法が考えられます。

 

相続税の納付が終了していたら3年10カ月以内に株式を売却する

上場株式の場合、期間内に株式を売却する事によって、“取得費加算の特例”として、譲渡所得の計算に既に支払い済みの相続税のうち、その株式に対応する部分の金額を取得費として入れられます。被相続人が株価をいくらで購入したか分からない場合は、売値の5%相当として計算が可能です。

様式の態様によって利用可能となる特例が複数存在するため、確認しつつ利用すると良いでしょう。

 

発行元の会社に売却する

非上場株式の場合、”金庫株”として株を発行している会社にそのまま売却してしまうという手があります。

自社株を他企業に渡さないことで経営権が分かれることを防ぎ、従来通りに会社を経営できるという利点があります。

ただし、個人から売却するみなし配当課税がされることがあります。

 

 

株の評価に詳しい税理士に相談しよう

株式の評価は、上場株式・非上場株式ともに評価方法に対する知識はもちろんのこと、株式市場や企業の状況を的確に見極める目が必要となります。

上場株式の場合、上述してきた通り取引相場が存在することから比較的判断しやすい方と言えますが、非上場株式の場合は、取引相場が無く、対象となる会社の保有財産に応じて自力で評価額を算出する必要があり、評価方法についての知識が無いとどれほどの評価額となるかの判断が困難となります。

株の評価に詳しい税理士を選べば、様々な情報を基に適切な判断を行い評価額を計算してくれます。

 

おわりに

株式の評価は、上場株式か非上場株式かで方法が大きく異なってきます。

上場株式であれば開示された情報を基に評価額を算出することが可能です。

一方、非上場株式は市場価格を参考にできず企業の状況を見て判断する必要があります。

株式の評価額が高いと、その分負担する相続税も高くなってしまいます。

様々な特例を利用して、次の事業主の負担とならないような相続税の節税を行ってみましょう。

株式を評価するには、様々な知識が必要となります。

素人では困難なことが予想されるため、上場株式であっても非上場株式であっても専門家に評価を依頼することをお勧めします。