2019.08.07贈与税

相続時精算課税制度 とは?~デメリットについて~

Pocket

負担増額を減らすための精算課税制度

財産贈与の際に選択できる2つの方法の内のひとつである“相続時精算課税制度”。

将来財産を相続することとなる家族のために、負担増額を減らしたいという心遣いから、こちらの制度の利用を考える方も多くおられることでしょう。

しかし、制度を利用する際には気を付けなければならない点がいくつか存在します。

 

本記事では、主に相続時精算課税制度についてのデメリット面についてお伝えします。

メリット面については別記事で紹介していますので、そちらの記事も目を通していただくことをおすすめします。

 

 

1度選択すると以後、110万円の贈与税の非課税が使えない

一度相続時精算課税制度を利用すると、 “暦年贈与 ”と呼ばれるもう一方の贈与方法を使用することができなくなります。

 

暦年贈与とは、1月~12月までの1年間に贈与を受けた場合、課税することとする制度です。

贈与者、受贈者に関わらず、贈与に関わる全ての人間が利用でき、財産の種類によって制限されないのが特徴です。

基礎控除として、年間110万円が設定されており、課税額から上限110万円までを差し引いた金額に課税され、上限を超えた場合に贈与税が発生します。

 

一方、相続時精算課税制度とは、60歳以上の贈与者から20歳以上の受贈者へ選択的に生前贈与できる制度です。

2,500万円の特別控除があり、限度額に達するまで複数回利用可能です。

限度を越えた場合は、以降控除を受けることはできません。

 

相続時精算課税制度の申告をすると、以降暦年課税贈与への切り替えが不可能になります。

将来的にどちらが得になるのかを考えて慎重に選択しましょう。

 

 

将来財産が値下がりや消滅した場合の相続税負担が大きくなる

相続税の負担が増える

仮に財産贈与をしたとして、将来贈与した財産価値が下がることや財産そのものが無くなる事態となった場合、税負担が大きくなってしまいます。

価値が下がると考えられる財産としては、不動産や土地などが挙げられます。

相続時精算課税制度は、贈与時の財産価値を課税価格として算入します。

つまり、財産価値が下がれば、相続時に余計な負担を抱えることとなるのです。

 

 

小規模宅地等の特例が使えなくなる

相続時精算課税制度の特徴として、暦年贈与制度を選択した際に併用できた特例などを利用できなくなるデメリットがあります。

 

その一例として、“小規模宅地などの特例”が挙げられます。

相続などによって宅地などを譲り受けた際、一定割合の税額を差し引くといったものです。

ケースによっては大きく税額を軽減することが可能となるため、利用を考えている場合は注意が必要です。

この他に、相続税を指定された物で収める“物納制度”の利用も出来なくなります。

 

小規模宅地の特例をはじめとする節税対策の解説はこちら

 

 

手続きやコストが増える

手続きもコストも増える

相続時精算課税制度を選択した場合、贈与額がいくらであったとしても、必ず申告をしなければならない決まりとなっています。

申告をしたところで、税務署に否認されたり、定期贈与とされたりするリスクもあるので注意しましょう。

 

また、先述した通り、制度の利用には年齢制限が設けられています。

既定の年齢に達していない場合は暦年課税贈与を選択しましょう。

 

その他の注意点として、不動産を贈与した場合は“不動産取得税”や“登録免許税”が別途かかる他、固定資産税が高くなります。これら全てを念頭に置き、制度利用を検討しましょう。

 

 

おわりに

相続時精算課税制度は、生前に贈与という形で素早く財産分配ができるため、相続人間でのトラブルを回避できる手段となります。

財産総額が基礎控除額内に納まるとあらかじめわかっている場合は、早めの財産分与を心がけるのも良いでしょう。

ただし、本記事で紹介したように、いくつかのデメリットとなり得る点が存在します。

もしも“節税”を最優先で考えているのであれば、暦年課税贈与制度と比較して、より節約できる制度の利用をおすすめします。

 

贈与についての基礎知識はこちら

 

 

きちんと相続の特徴・料金プランはこちらから

 

相続税のご相談はフリーダイヤルで

 

タグ : 小規模宅地の特例 相続時精算課税